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自然農実践生産農家と呼ばれて 6
 春は目まぐるしく過ぎ、前回から2ヶ月近く空いてしまいました。第6回は、

  「野菜の種 F1交配種と在来種、伝統品種」 です。

 F1(1代交配、雑種1代)種の特徴は、ともかく生育と形の揃いが良く、雑種強勢を示し生育旺盛で耐病性のあるものが多く、真の旬でなくても栽培しやすい品種が多いことです。
 揃いのよさという特徴から、スーパーに並んでいる野菜のほとんどはF1です。そのため、多くの消費者の思う“その野菜のイメージ(味や食感)”もF1種のそれに基づいており、調理法について迷うことなく買い求められます。
 生産者側としては、このように販売に際して説明不要であることに加え、耐病性とチッソ肥料への耐性に重きをおいて開発されているため、多肥・多灌水・密植により促成大量生産・一斉収穫に向いていることから、栽培へのハードルは低くなります。
 しかし雑種である以上、その作物から種をとって蒔いた場合は、メンデルの法則が示すように、祖父母世代の様々な特徴がバラバラに出現します。そのため種は毎年新たに種会社から買うことになります。

 対して、在来種・伝統品種とは、簡単に言うと、お年寄りが遠い目をして昔の野菜は美味しかったと言う、その野菜のことです。そして、暮らしの中で育まれた固定種(親と子の遺伝的バラツキが小さな範囲に収まる種)なので、種を取って蒔けば親にかなりよく似た次世代の作物が出来ます。
 しかし形や収穫期の揃いがいいとは言い難く、葉や皮、果肉がとても柔らかく長距離の輸送に向かないものも多い。F1に比べると収量でも劣る場合がほとんどです。
 一方で、収穫期がばらけることは少しずつ長く楽しめることでもあり、農薬や化学肥料の無い時代に、地域の土壌特性・気候風土に根ざして育種されたため、作物本来の個性、味、形をもちます。輸送においては弱点になる葉や皮、果肉のやわらかさは食味のよさでもあります。

 おーけー自然農園ではF1であろうと在来種であろうと、命であることには変わりはないというスタンスです。が現状は作物の実に9割以上が在来種・伝統品種です。
 これは、雑種か純系かというような排除の論理によるものではなく、逆に、個々の農家やグループまた地域などがそれぞれの良さを生かした種を採り継いでいくためには、
・大規模な研究設備や種採り専用畑を必要とし
・ゆえに大きな資本が必須であり
・結果として市場の占有を目指すことになる
・すなわち多様性の排除が必然的に付随する
という性質を備えるF1種は不向きだからです。
 F1と在来種とで、種の命の価値が違うのではなく、命の担い手が誰なのかという問いが大事だと思います。
 それでも一部取り入れているF1種は、在来種に近い良さを持つものや、在来種だけではどうしても野菜が不足してしまう時期の穴埋めとして、活用している状況です。

 次回は様々な農法について、特に無肥料栽培についてです。ありがとうございました。
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 余裕に満ちた顔をして、まあ、せっかくだから食べていってくださいとナスの葉にビッシリついたニジュウヤホシに声をかけて歩いたところ、これが本当に食べられてしまいました。葉はみるみるうちにレース状になりました。
 流石に補殺するか悩みましたが、観察してみることにしました。自然に虫は減り、一応の収穫には至りましたが、栽培初年度のナスは切り口の変色する普通の味のナスしか採れませんでした。
 切り口が変色しない、美味しいナスが採れるようになったのは翌年からです。ニジュウヤホシもほとんどみかけなくなりました。
 他にも栽培初年度は空豆にアブラムシがついたりトマトにヨトウがつきましたが、やはり翌年から見かけなくなりました。
 畑にはカエル・トカゲ・クモ・カマキリ等の肉食の生き物が沢山住んでいますが、彼等がヨトウなど草食性のいわゆる“害虫”を捕食していることだけが減少の理由ではないようです。補食による減少ならば消えてしまうはずの、死骸をよく見かけるようになったからです。

 私見ではありますが、自然な環境下では生物は一人勝ちが許されていないのではないでしょうか、増えすぎると自然に減るのは虫だけでなく、あの、放っておくと、強力なアレロパシー(他感作用)によってアッという間に土地を占拠するセイタカアワダチソウも、幾年も占拠状態が続くと自らのアレロパシーに中毒し自滅するそうです。自然界においては、一人勝ちとは滅びへの道のようです。

 次回は野菜の種、在来種、FI、自家採種についてです、よろしくお願いします。
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 そのようにして、1年で目覚ましい変化を見せた畑でしたが、良化にはムラがあり、著しく遅れている箇所も残ってしまいました。
 そこで、硬いイネ科の草の勢力の強い箇所は同じイネ科のトウモロコシ、カラスノエンドウが生えている箇所には同じ豆科のエンドウ、枝豆、スギナやジジバリしか生えない超痩地には痩せ地でこそおいしくなるサツマイモを植えました。
 草を見ての場所選びはズバリハマってくれ、どれも美味しい実りをもたらしてくれました。その他、ハコベ・ナズナなどの生えてきた箇所では、カボチャ・キュウリ・オクラ・ネギ・里いもなどが素晴らしい出来でした。
 その箇所ではナス・ピーマン・トマトなどのナス科も栽培しました。ナス科にはリスクの高い箇所でした。耕作放棄以前に栽培されていたというジャガイモが野良化していたのです。ナス科におけるジャガイモの連作障害は強烈ですし、一枚の畑でジャガイモと他のナス科野菜を共に育てるのは、常識的には考えられない事です。
 それでも無肥料栽培は連作障害や虫害に強いという説を信じて栽培してみました。案の定ニジュウヤホシがビッシリとナスの葉につきました。彼らはジャガイモの葉に卵を産むので当然の結果です。自信と余裕をもって、まあ、せっかくだから食べていって下さい、と虫達に声をかけて歩きました。
するとどうでしょう!

つづく
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 6年前、就農するにあたり借りたのは4年以上耕作放棄された畑でした。幸い、除草剤を使用せずに管理されており、農薬・肥料に関してクリーンな状態でスタート出来ました。
 しかし、物理的には、畝立てをするのに管理機が跳ね返されてしまうほどに土が固く、トラクターの踏み圧による硬盤層も形成されてました。生えている草も、耕作放棄地につきもののセイタカアワダチソウの他、スギナ・スイバ・ハマスゲ等、痩せ地の酸性土に生える草ばかりで、このままでは不耕起での無肥料栽培は不可能と思い、その期の作付は我慢し、土づくりに専念することにしました。実験で播いてみた小松菜などは芽が出てすぐにみな黄色くなって溶けてしまいました。思ったとおりの結果でした。
土づくり言っても、人間は微力です。硬盤層を破壊する為にライ麦と赤クローバーを混播しました。ライ麦の強い根に硬盤層を破壊してもらう作戦です。土が痩せすぎていてライ麦の成長にも不安があったので、赤クローバーをバラ播きして、そのチッ素固定に期待しました。 翌春、ライ麦はぼくの身長よりも高く育ちました。そしてその頃には太ミミズが沢山、草マルチの下に住むようになりました。太ミミズは堆肥に湧くシマミミズではなく、山などにいる種類のミミズです。僕が寝ている間にもライ麦と赤クローバーの根、太ミミズや微生物達が深く、深く耕してくれて、たった1年で2メートルの支柱を刺すとスッポリ土中に埋まるほどに柔らかくなりました。草の種類も、豊かな土壌に生えるハコベやホトケノザなどに変わりました。そして土は大きなコロコロの粒に団粒化しました。
 畑を借りる前の3ヶ月間研修させていただいたY農園のYさんも、畑の土を食べニッコリ笑って良い味になったと誉めてくださいました。その笑顔を見ながら、ぼくは、これならイケる、出来ると確信しました。ところがしかし。

 続く
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 どんな畑が好きか? と問われたら、それは自然農の畑と答えます。でも、農業経営・経済効率の面から見れば、有機農業や機械化された自然栽培等のほうが遥かに優れていると思います。
 また農薬を使う慣行農家が一律に悪で無農薬は一律に善という考えも好きではありませんし、単純に有機(施肥)より無肥料のほうが上、みたいな、付加価値付け営業戦略もいかがなものかと思います。

 あれが善いとか悪いとかではなく、それぞれのやりかたにそれぞれの役割があり、有機的つらなりにおいて、慣行農家も含めて皆、大切な農業だと思います。

 さて、そんな僕が、就農以前に自然農の野菜を食べる機会を得て、とても印象的だったのは、ファーマーズマーケットで出会った千葉のS農園さんのほうれん草でした。S農園さんは、おき火のように静かに、優しく、そして熱く、無肥料自然農について話してくださいました。
 その時にいただいたほうれん草は、以前より葉物野菜は同じ品種なら葉色が薄いほうが旨いと感じていましたが、それにしても薄過ぎやしないかと思うほどに葉色薄く黄色くなっている箇所もあり、お世辞にも見栄え良いとはいえないものでした。ですがお湯にそっと湯通ししただけで、素晴らしく鮮やかな緑になり、味付け無しで食べたところ、凄く濃いのだけれど、雑味やアク・エグがまったくありませんでした。ほうれん草はアクを抜いて食べるものと思いこんでいましたが、アク抜き不用なほうれん草でした。
 ぼくもこんな野菜を生産したいと強く心に思いました。





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